院長・スタッフ紹介

若い頃から獣医師を志し獣医学部に入る方が多いですが、私は一度東京の文系の大学を卒業し、１０年間一般の社会人経験してから獣医大学に入学し、獣医師免許を取得しました。

１８歳で奈良を飛び出し入学したのは、東京外大です。最初に会社員として勤務した味の素㈱では、東京で、人の低刺激アミノ酸シャンプーの開発営業とマーケティングをしていました。５年間の営業勤務を経て、本社勤務一年、その後タイ味の素㈱に出向し、アミノサイエンス事業部の立ち上げのために2年間タイ語でビジネスをしていました。転職後に入社したソニー㈱では、ソニーが世界で最初に開発したリチウムイオン電池の海外法人営業を任され、ずっと一般の方々と同じサラリーマンとして働いてきました。

こういう様々な経験が、現在の私の獣医療に大きく役立っています。

もちろん、皮膚病で来院した子に最適なシャンプーを選ぶこともできますが、そんなこと以上に、過去の経験が大きく生きていると日々実感していることが二つあります。

動物たちは、自分の苦しみを言葉で訴えることができません。また、同時にいろんな病気に同時にかかっていることがよくあります。そういった複雑な診療において、一般の獣医師が陥りがちな『答えが一つ』であるという思込みが私にはありません。過去の経験より、物事を多角的に広い視野でとらえる習慣が身についています。

また、大学卒業と同時に『先生！先生！』と呼ばれてきた普通の獣医師と違い、変なプライドがなく、一般の方の目線が身に染みついています。そのため、獣医師が陥り易い、『専門用語を乱用して説明する』ということが私にはありえません。相手に正確にわかりやすく伝えるという最低限の前提があるからです。更に、飼い主さんの様々な心境や経済状況に応じて治療を組み立てて行くことができます。ここにも、過去の私の経験や試行錯誤が生きていると実感しています。

もし、何か不安に思っていること、困っていることがありましたら、お気軽にご相談ください！お待ちしています。

当院のポリシーとして、個々のオーダーメイドの治療を行っています。

他院や人間のお医者さんで、「この病気なら、コレを出しとけばいい」とコレポン的な治療をしているところが多くあります。
しかし、私は世の中に一つとして同じ症状のものはなく、一つ一つの体は、内部状況、病状がすべて異なっていると考えています。

動物の治療では、いくつものお薬や栄養剤を組み合わせて治療するのですが、その際には各々のお薬のサジ加減が重要となってきます。その子その子の体質、健康状態、栄養状態、病気の状態は、まちまちで、それらをトータルとして捉えて、試行錯誤の上、各々の量を微調整していきます。言い方を換えれば、そのサジ加減こそが、獣医師の力の見せ所と言えます。

敢えて例えて言うなら、『料理』によく似ています。一流の料理人は、素材の状態をみて、調味料の組み合わせとその微妙なサジ加減を変えて、完成品として最高においしいものを作っていくと思います。

医療は料理と違って、食べ比べが出来ないので、その治療のクオリティーは、オーナーさんには正確に伝わりにくいものがあります。

しかし私は、その一人一人の子に対して、真剣に対峙し、真剣勝負でオーダーメイドの治療を考えていっています。飼い主さんがあきらめない限り、私もあきらめません。その子にとってのベストな治療は何なのか、飼い主さんとの話し合いの中で、絶えず模索し続けていきます。