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椎間板ヘルニアという病気をご存知ですか?
背骨を構成しているたくさんの骨(椎骨)の間には、クッションの役割を果たす軟骨(椎間板)がたくさんあります。
その軟骨が、あるきっかけで飛び出してしまい、背骨の中を走っている神経(脊髄神経)を圧迫し、そのせいで下半身にマヒが出てしまう病気です。
放っておくと下半身不随となり、場合によっては自力で歩けなくなるばかりか、自力でおしっこも出せなくなります。
ご存じのように、ワンちゃんは、自分の症状を口に出して説明することが出来ません。痛いのか?痒いのか?寒いのか?。。。全て推測していってあげるしかないのです。
では、椎間板ヘルニアの飼い主さんにもわかりやすい初期症状には、どんなものがあるのでしょうか?
後足が麻痺していれば、誰にでもわかると思います。でも、そこまで進行してしまっては、治る確率が下がってしまいます。
もっと初期の症状には、どんなものがあるのでしょうか?私の経験と飼い主さんからヒアリングしたものを書いておきます。
①何かの動作の拍子に、『キャン!』と鳴く。
➁体を触ったタイミングで『キャン!』と鳴く。
③体を触ると、(痛みのせいで)咬もうとしてくる。
④背中を丸めるようになった。=背骨が急に飛び出てきたように見える。
⑤昇り降りしていたソファーやイスに最近昇り降りしなくなった。
⑥気付くと、後足の先が裏返しになっていることがある。
⑦後足がフラフラしている。
などです。
通常の動物病院では、椎間板ヘルニアの診断には、(レントゲンには写らないので)CT撮影を行います。そして、たくさんある椎間板の中のどの椎間板が突出しているのかを特定していきます。
手術法はいくつかありますが、一般的なものは、背骨を削って圧迫の圧力を逃がし、突出している椎間板そのものを削って取り出していきます。
ただ、この診断法と治療法は多くのリスクを伴います。
①最初の診断時のCT撮影には、(動物は人間と違って、じっとしていられないので)全身麻酔をかけることになります。全身麻酔には、絶えず死のリスクが伴います。特に高齢の動物の場合、そのリスクは高くなっていきます。
②更に、手術のときにも当然全身麻酔をかけることになります。
③背骨や椎間板を削り取る手術となるので、平行して走っている脊髄神経を痛めるリスクもあります。
④また、背骨には椎間板がいっぱいあります。例え、全身麻酔をかけてCTを撮り、全身麻酔である椎間板を取り出す手術をしても、一度なった子は、再度別の場所がヘルニアになる確率は非常に高いのです。その度ごとに、全身麻酔をかけ、CTと手術を繰り返すのは、肉体的にワンちゃんに負担をかけ、経済的に飼い主さんに負担をかけ続けることになります。
治癒率が決して高いとは言えない、椎間板ヘルニアのCT検査および手術に抵抗感のある患者さんが多くいらっしゃいます。そういう飼い主さんからの『全身麻酔や手術なしで治す方法はないのか?』という要望を受けて、私は、独自の創意工夫で、内科的に椎間板ヘルニアをかなり高い確率で治す方法を見つけ出しました。
今までに、この方法で10年間に214頭のワンちゃんの内科治療をしてきましたが、2頭の子を除いては、ほぼ100%近く完治しました。その2頭の子のうちの一人の子は、重度の椎間板ヘルニアになって後足が完全にマヒしてから数年経ってからの治療の子でした。飼い主さんの強い要望でトライしてみましたところ、一時的に立てるようになりましたが、投薬を止めるとやはり立てなくなりました。もう一人の子は、重度のヘルニアでしたが、発症してから48時間以上経ってから当院に来られました。足は動かせるようになりましたし、時々両足で立てるのですが、普段は立ちません。(飼い主さん曰く、立とうとしていないように思うとのことでしたが。。)
それ以外の子、212頭の子は軽度から重度の子まで、皆さんほぼ元通りに歩いたり、走ったりできるようになっています。
ですので、治療開始までに時間が経ちすぎていないに越したことはないのです。おかしい?と思ったら、様子をみるのではなく、まず相談してみてください。
私は、この治療法によって、少しでも多くのワンちゃんが下半身不随にならずに済めばよいと切に思っています。